脳科学|DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)|ひらめきを生み出す脳の活動

みなさん、こんにちは。Ysです。

  

本日は脳科学(2回目)です。

以前、記憶のメカニズムについて書きました。

今回は「記憶の整理」に関連する脳の活動『DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)』について説明していきたいと思います。

この言葉は聞いたことがない人も多いかもしれません。

 

DMNとは何か

DMNの役割、特徴

活性化することによるメリット、デメリット

 

興味がある方はぜひ読んで頂ければと思います。

 

 

DMNとは

default mode networkの略です。

意識的な活動をしていない時に自動的に活性化する脳内の神経活動、つまり「ぼんやりしているときに働く脳の活動」です。

昔は何かに集中したり、新しい情報をインプットするときに脳は活動的になっていると言われていました。

しかし、実は何もしていない時、ぼーっとしている時にも脳の特定の部分で活動が活発になっていることが明らかになってきました。

この活動が記憶の整理や創造性と大きく関係していることがわかってきたようです。

 

 

DMNの役割

DMNの主な役割は「アイドリング」と「情報の整理」です。

 

まずは「アイドリング」について。

自動車のアイドリング機能のようなイメージです。

脳が活動を完全に停止してしまうと、万が一身に危険が迫ったとき、反応することができません。

この無防備な状態を回避するために、いつでもすぐに、意識的な状態、集中状態に切り替えられるようDMNが待機しています。

 

次に「情報の整理」についてです。

仕事が忙しい時ついデスクやPCのデスクトップが散らかりがちになりますよね。

そして落ち着いて暇になるときれいに整理する。これに近いイメージです。

脳は五感を通じて様々な情報を収集します。

収集した情報が記憶される仕組みについては以前説明した通りです。

脳が集中状態のままだと整理がされないまま情報がどんどんインプットされていきます。

DMNが非活性のままだと情報だけがどんどん増えて頭の中がごちゃごちゃになり、散らかったデスクのような状態になって脳過労状態に陥ります。

 

ここで、DMNの出番です。

DMNが活性化すると蓄えられたこれらの情報と情報を結びつけて整理されていきます。

デスクに例えると書類を種類分けしてファイリングするようなイメージですね。

関連した情報同士が結びつけられ、頭の中がスッキリします。その結果新しいアイデアを閃いたり創造性が高まるとも言われています。

 

 

DMNが活性化しすぎると

DMNのアイドリング機能は自動車のアイドリング機能のようなものだと説明しました。

自動車もアイドリング状態が続くとバッテリーを消費しますよね。

同じようにDMNも活性化すると脳のエネルギーを消費します。

しかも何かに集中している状態よりも10倍以上多くのエネルギーを消耗すると言われています。脳が消費する総エネルギーの60〜80%を占めるそうです。

休みの日に一日何もせずダラダラ、ぼーっとしてただけなのにすごく疲れたという経験ありますよね。

大切なのはDMNの活性、非活性を上手に切り替えるということだそうです。

 

 

DMNでネガティブ思考に入ると危険

ぼーっとしている時、嫌なことを思い出してどんどん嫌な気分になっていく経験があると思います。

DMNは脳に入った情報を整理し結びつけていきますが、これはポジティブな情報に限りません。

DMNが活性化し心が迷走している状態(マインド・ワンダリング)で嫌な出来事を思い出すとネガティブな情報の神経回路が強化されてしまいます。

ただぼんやりするのではなく、ネガティブ思考にならないようDMN状態を上手く活用する必要があるということですね。

これが最近よく言われている「マインドフルネス」というものです。

マインドフルネスについては書籍もネット記事もたくさん出ているので、気になる方はぜひ調べてみてください。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

普段何となくぼーっとしている時間は脳にとって大変重要な活動だったんですね。

私は散歩するのが好きなんですが、その理由が「勉強や読書した後、仕事した後にぼーっと散歩すると何か頭がスッキリするから」だったんです。

これDMNだったんですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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