心理学|認知的不協和の解消|矛盾から逃げ出すための心理作用

みなさん、こんにちは。

Ysです。

今回は心理学「認知的不協和」です。

認知的不協和とは自分の思考と行動、認知と事実に生じる矛盾のことです。

この矛盾を解消するため自分の思考や行動を変えようという心理作用が働きます。これを「認知的不協和の解消」と言います。

私たちは自分を否定することができず、明らかな失態だとしても、さまざまな言い訳をして自分を正当化しようとする生き物のようです。

わかりやすい例としてイソップ物語のキツネとぶどうの話が有名ですね。美味しそうなぶどうを目の前にしながら、背が低くて取れないキツネは「あのぶどうは酸っぱくておいしくないはずだ」と言って去っていく、という話。

これは「美味しそうなぶどう」という認知と「食べることを諦める」という行動の間に生じた矛盾に対して、「あのぶどうは酸っぱい」と認知を変えることで認知的不協和を解消しようとした、ということですね。

この「認知的不協和の解消」はアメリカの心理学者、レオン・フェスティンガーが提唱したものであり、以下のような実験を行ったそうです。

①学生を2つのグループにわける。

②それぞれに単純な作業をしてもらう。

③Aグループには高い報酬を支払う。

④Bグループには少ない報酬を支払う。

⑤それぞれに作業の楽しさを伝えてもらう。

報酬が少なかったBグループの学生の方が作業の楽しさを一生懸命に伝えた、という結果になりました。

単純でつまらない作業という認知と作業の楽しさを伝えるという行動に矛盾が生じます。Bグループは割に合わない報酬なのに楽しさを伝えないといけないので、より大きな認知的不協和を抱え、「本当は楽しかったのかもしれない」と楽しさを見出し、認知に修正を加えました。

一方Aグループの学生はそれほど大きな認知的不協和を抱えなかったため、Bグループの学生ほど作業に楽しさを見出そうとする心理があまり働きませんでした。

身近な例だとお酒やタバコがわかりやすいですね。体に良くないと認知していながらも、お酒を飲む、タバコを吸うという行動をしている場合、認知的不協和に陥ります。このとき「お酒を飲むこと、タバコを吸うことでストレス解消になる」というように認知を変化させれば、認知的不協和から生じる不快感を軽減することができます。

仕事においても何か失敗したとき上手くいっていないとき、この認知的不協和に陥ります。現状を改善するために、問題を見極めて、行動を変えていくことが大切ですが「誰がやっても上手くいかなかった」「自分は悪くない」と認知を書き換えて問題から逃げてしまいます。

ストレスを抱えすぎないための防衛本能としては正しく機能していますが、組織においては小さな自己正当化の繰り返しが大きな損失に繋がっていくこともあります。

この心理作用を理解し、ストレスや不快感を上手くコントロールしつつ、逃げてはいけない問題には、まずは行動を変えていくところから考えると良いのかもしれないですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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