心理学|インセンティブは与え方を間違えると逆効果!?|モチベーションのクラウディング・アウト

みなさん、こんにちはYsです。

今回は「心理学」です。

仕事や勉強するとき「やる気」って大事ですよね。

「給料が良い仕事につけるよう資格取ろう。」

「今の仕事頑張って結果出して、評価されたい。」

「目の前にいるこの人を笑顔にしたい。」

「家族に美味しいごはんを食べさせて上げたい。」

何か行動するとき、頑張るとき、色々な動機があると思います。

会社員として仕事をしていると「社員のモチベーションのためにインセンティブを」なんて話は良く耳にしますし、自分自身もよく考えます。

今回はそんな「インセンティブ」と「モチベーション」の関係にある落とし穴について説明したいと思います。

まずはインセンティブ、モチベーションを内発的な側面と外発的な側面のそれぞれの観点から説明します。

その後、モチベーションのクラウディング・アウトについて説明します。

前半の内容はご存知の方も多い気がします。

「そんなの知っているよ」という部分は遠慮なく読み飛ばしてください。

 

インセンティブ

報酬や奨励のことで、金銭的なインセンティブと非金銭的なインセンティブがあります。

仕事の成果に対する金銭的な報酬がわかりやすい例ですね。

また、頑張った人を褒めたり表彰することは非金銭的(社会的)なインセンティブです。

経済学者が経済分析をする際に基本とする概念で、特に金銭は重要なインセンティブとして位置づけられています。

お金によって決まることや解決することが多く、金融市場は金銭的インセンティブによって支えられていると言われています。

でも実際にはお金だけで解決しない問題もたくさんありますよね。

人々の意思決定は金銭以外の様々な社会的要因や心理的要因の影響を受けています。

 

モチベーション

動機づけや目的意識のことで内発的なモチベーションと外発的なモチベーションがあります。

外発的モチベーション

個人の外部に存在するインセンティブによる動機付けです。

本来やりたくないようなことに対して外的報酬によりやる気を出す場合、外発的モチベーションと言います。

重労働だけど給料が高いから頑張る、大変だけど結果出せば出世できる(地位や名誉がほしい)から頑張る、といったものです。

金銭的な報酬だけでなく、社会的成功のような非金銭的なものも外発的モチベーションの要因となります。

内発的モチベーション

個人の内なる目標や姿勢、信念などから生じるモチベーションのことを言います。

外的報酬(金銭、地位、名誉)のためではなく、自分自身の成長のために、喜び、楽しさ、義務感などの内なる要因がその人が行動するためのモチベーションとなります。

内発的モチベーションと外発的モチベーションの関係

仕事がどれだけ楽しかったり、誰かを喜ばせたいという気持ちで頑張ったとしても給料がゼロだとさすがに辛いですよね。

内発的モチベーションと外発的モチベーションは独立したものではなく、その人のやる気の要因として混在しているものです。

なので、インセンティブの与え方を間違えると外発的モチベーションによって内発的モチベーションが阻害・駆逐されてしまう(モチベーションのクラウディングアウト)のです。

 

モチベーションのクラウディングアウト

外発的モチベーションに内発的モチベーションが阻害・駆逐されることです。

2つの例でこの現象について説明します。

 

まずは1つ目、学生を対象とした心理学のある実験の例です。

大学生をランダムに2つのグループに分け、複数のパズルを解いてもらう実験です。
1つ目のグループには少額ですが金銭報酬を与え、2つ目のグループには何も与えなかったそうです。

結果、2つ目のグループに1つ目のグループよりも良い成績を出した学生がいたそうです。

1つ目のグループは報酬の金額が少なく、逆にやる気が下がってしまい、2つ目のグループは素直に知的挑戦を楽しめたということです。

つまり、中途半端なインセンティブにより、内発的モチベーションが阻害され、さらにその外発的モチベーションが不十分だったために全体のモチベーションが下がってしまったということです。

 

次に2つ目の例です。

とある保育園で実際に起こった出来事だそうです。

ある保育園では保護者が時間通りに迎えに来ないことが多く、遅れた場合に罰金を徴収することを始めたそうです。

本来なら罰金を払いたくないから、時間通りに迎えにくるはずですが、結果はその逆だったようです。

これまで保護者は遅れつつも保育園に対して申し訳ないという気持ちがありましたが、罰金を支払うことでその罪悪感から開放され、「罰金を払っているから遅れても問題ない」と思うようになってしまったようです。

これはマイナスのインセンティブ(ペナルティ)が中途半端だったために、迷惑をかけたくないという内発的モチベーションを阻害してしまった例です。

以上の例から、外的インセンティブは与え方を間違えると逆効果になるということが心理学の分野で言われています。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

相手にやる気を出してもらうとき、その方法が外的なもの、特に金銭的なものである場合は逆にやる気を損ねないかな?ということも気をつけた方が良さそうですね。

といっても外的報酬は無くて良いということではないところも注意が必要ですね。
バランス難しい・・・

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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