脳科学|脳が記憶を形成する仕組み|わかりやすく説明

みなさん、こんにちは。Ysです。

今回のジャンルは「脳科学」です。

その中でも「記憶の種類と形成される仕組み」について説明したいと思います。

今回は記憶の仕組みに限定した説明になりますが、他にも面白いテーマがたくさんあるので、今後は「やる気」「ひらめき」「創造力」など別の観点でも扱っていきたいと考えています。

 

脳科学における記憶の種類

脳科学では記憶は「短期記憶」「長期記憶」に分けられます。

記憶できる期間によってメカニズムが異なります。

 

「短期記憶」とは一時的に覚えるようなもの、例えば「今日の夕飯のためにスーパーで買う食材」「銭湯で使用するロッカー番号」「一度だけかける電話番号」といったものです。

これらは何か特定の作業をする時だけに一時的に必要な情報です。

 

これに対し、長い期間覚えておく必要があるものを「長期記憶」とします。

長期記憶は「陳述記憶」「非陳述記憶」に分けられます。

「陳述記憶」とは言葉で説明できるような記憶です。
この陳述記憶はさらに「エピソード記憶」「意味記憶」に分けられます。

「エピソード記憶」は実際に体験した出来事に関する記憶です。体験には感覚や感情が伴います。

「あの時は楽しかった」「あの時は辛かった」「景色が綺麗だった」といったものです。言語化でき、またその感覚や感情とセットになっているので長期間忘れられずに記憶されます。

 

「意味記憶」は繰り返し反復することによって覚えたもの、いわゆる「知識」です。

小学校の頃に覚えた九九などです。

覚える内容の特徴は短期記憶と変わりませんが、覚える作業を繰り返すことにより長期記憶として定着されます。

しかし、長い間使わないと忘れてしまい思い出せなくなることがあります。

 

陳述記憶(意味記憶とエピソード記憶)に対して「非陳述記憶」は言葉では言い表さない運動が伴う記憶で手続き記憶とも呼ばれます。

自転車の乗り方などです。

 

脳が記憶を形成する仕組み

短期記憶、陳述記憶(長期記憶の1つ)の形成は大脳にある「海馬」が関係しています。

人が何かを見たり聞いたりした時に脳に入った情報は海馬に短期記憶として一時的に保管されます。

これはあくまで一時的な保管なので何もしないで時間が経つと消去されます。

ただし、海馬には一時的に保管した記憶を整理し、覚えておく必要があるものとそうでないものを選別します。

今後も覚えておく必要があると判断した場合はその情報を「大脳皮質」という部分に送ります。

そしてこの大脳皮質で記憶が固定され長期記憶として保管されます。

海馬で短期的に保管し、長期的に記憶するものは大脳皮質に送って保管するということです。

ちなみにお酒を飲み過ぎて記憶が無くなるのは血中のアルコール濃度が高くなることで海馬が機能しなくなる(麻痺する)ことが原因です。その時意識はあっても記憶を司る海馬が麻痺しているので短期的な記憶すら覚えておけない、ということです。

 

一方、非陳述記憶(長期記憶の1つ、自転車の乗り方など)は海馬ではなく大脳基底核と呼ばれる部分と小脳により形成されます。

脳が体の筋肉を動かしたり止めたりする時に小脳は筋肉の動きを細かく調整します。

これが繰り返し反復されることにより正しい動きを学習し記憶として定着されます。

このようにして定着し記憶は消えることはありません。

脳が筋肉の動きをコントロールし、同じ動きを繰り返すことで記憶が形成されるということです。

「体で覚える」と良く言いますが、結局のところ覚えるのは脳だということです。

 

睡眠と記憶

レム睡眠(浅い眠り)中は海馬をはじめとする記憶に関わる部位は活発に活動しています。

そして、昼間に体験した記憶を整理したり、必要な記憶を定着させる作業が行われています。

寝ないと記憶が定着しないということです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

用語も色々出てきて少しわかりづらかったかもしれないので最後に復習も兼ねてまとめます。

・記憶には「短期記憶」と「長期記憶」がある

・脳に入った情報を「海馬」が短期記憶として保管する

・海馬により長期記憶する情報が選別されて「大脳皮質」に送られる

・長期記憶には「陳述記憶」と「非陳述記憶」がある

・陳述記憶には「エピソード記憶(出来事)」と「意味記憶(知識)」がある

・エピソード記憶は感覚や感情が伴うので記憶に残りやすい

・意味記憶は定着させるために反復が必要

・非陳述記憶(自転車の乗り方)は脳が筋肉の制御を反復学習することで形成される

・レム睡眠中に記憶が整理され記憶が定着する

・アルコールによって海馬の機能が停止するのでお酒の飲み過ぎには注意

 

「覚えたいことは反復、そして睡眠をしっかり取る」ですね。

もう少し踏み込むと感情や情景をセットにしたり、複数の角度、観点で記憶するとより強く定着するそうです。

こちらの解説はまた別の機会に説明しようと思います。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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